岡山の百貨店(1)

 
 岡山に赴任した当時に在籍していた会社は、土日休みの完全週5日制でした。
土日の2日間にテレビだけ見て過ごす訳にもいかないので、岡山の百貨店に出
かけることにしました。


 東京だと「三越デパート」「伊勢丹デパート」という感じで、「デパート」
という言い方が主流のようなのですが、関西だと「阪急百貨店」「近鉄百貨店」
というように、「百貨店」という言い方が主流だそうです。


 私も大阪の田舎に22年間住んでいたとき、休日には、祖母・母や妹と一緒に
大阪じゅうの「百貨店」を歩き回ったものでした。少し「よそ行き」の服を着て
ハレの場所に出かけていたんですね。


 大人になってからは、特に百貨店で何かを買う訳でも無いのですが、建物の雰囲気
や地下食料品売り場の賑やかさが好きだったので、学校帰りや旅先では、あちら
こちらの百貨店に出入りしていました。

 
 北は、札幌の「丸井今井」から、南は鹿児島の「山形屋」まで、色々見て歩き
ました。地方の百貨店は、その町ごとの個性が如実に出ていて、訪れても面白い
ところばかりでした。また、地方百貨店のある都市に、大手百貨店が進出していて
も、地域一番店は地方に軍配の上がっていることが多く、百貨店経営を全国共通
で行うのは難しいんだな、と改めて思いました。


 百貨店は「包装紙」に価値をつけて売っていると言われます。同じものを
頂いても、「包装紙」だけで品物の価値が変わる現実に、大人になってから
とても興味深く思うようになりました。


 百貨店は、町の文化の固まりだと思います。それが地方百貨店となると、その地方
でしか通じない「包装紙ブランド」・・・。このような目に見えない価値の構築過程
って不思議に思いませんか?


 町に住んでいる人と百貨店との長年のつきあいによって築きあげられてきたもの
なんでしょう。そんなことを考えながら、岡山の地場百貨店「天満屋」に、これから
出かけます。


包装紙あれこれ
http://www.depart-ranking.com/con044/paper.htm
(全国百貨店の包装紙の言われが載っています。29年前のレトロな情報です。)